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泉美木蘭
2023.7.15 08:39

博多祇園山笠

今日は山笠という博多の祭りのクライマックスの日だったので、
朝4時から見物に出かけた。
暗いうちから街にわらわらと人が歩いていて、
中心部の櫛田神社に近づくと、東京の満員電車のような状態だった。

ふんどし姿のやたらと喧嘩の強そうな博多の兄ちゃんたちが、
山笠を担いで「ヤーッ!」と叫んで疾走する姿はかっこよかった。
1台ずつカウントダウンをして、スタートの合図とともに
全速力で神社の境内に乗り入れ、
ぐるっと一周まわって出るまでのタイムを競うのだけど、
「三番山笠、東流、30秒29!」
と結果がアナウンスされると、そこらじゅうの人たちが
「おおお!」とどよめいていた。
30秒は速いらしい。なるほど。
来年は、「東流はコーナー入りがスムーズで速かったからねえ」
とか、腕組みして下馬評を語ってみたい。

順番待ちで、山笠の丸太に肩を当てて準備している兄ちゃんたちが、
「見とけよお」というドヤ顔で沿道をへいげいしているのも、
また良かった。
地元民としての名誉感や、自分はこの祭りの演者なのだという快感、
一皮むけた姿を堂々と見せつける自信などが伝わってきて、
沿道の人混みの1粒である私もまた、祭りを演じる一人のような
不思議な感覚を覚え、全力疾走までのカウントダウンがはじまると、
一緒に緊張してそわそわしてしまった。

一段と背の高い「飾り山笠」というのがあって、
明らかに信号や電線に引っかかる高さなので、どうするのかと思ったら、
通る場所によって、上の段の飾りが格納されたり、飛び出したりする
仕組みになっていた。
単に出たり入ったりするだけなんだけど、サンダーバードみたいな
手仕事感があって面白く、妙に盛り上がった。

誰もマスクしてなかったのがまた、気持ち良かったな。

写真は、飾り山笠の上の段が格納されたもの。

しかし、なんでこんなに朝早いのか、初体験でよく知らないけど、
大勢の見物人を動員する夏祭りは、早朝のほうがいいね。
10年前に、伊勢神宮の式年遷宮で、「お白石持ち」という
行事に参加したけど、真夏の炎天下で、新しく建った御正殿に
白い石を置くための行列にずっと並ばねばならず、
バタバタ人が倒れて、救急車も担架も足りなくなり、
神宮の待合室から担いできたベンチに乗せられて、
とりあえず日陰に運ばれていく人を何人も見た。
炎天下はあかん。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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